【デザイン思考の本質】
先日、スタンフォード大学で「デザイン思考」についての講義を受ける機会がありました。近年、日本でもこの「デザイン思考」という言葉が広がりつつありますが、実際の所それが何を意味しているのかを理解している人は極めて少ないと言えます。そして私自身も「デザイン思考とは何か?」という問いに明確に答えられないでいました。そこで情報を知識にし、実践可能なレベルにまで高めるためにデザイン思考について研究してみました。

デザイン思考は、世界でもっともクリエイティブな企業として有名なデザイン会社「IDEO(アイディオ)」の創業者デビッド・ケリーとその弟であるトム・ケリーが、クリエイティブワークを通して身に着けた発想法をまとめ、イノベーターを育成するカリキュラムとして体系化したものです。デビッドは、スタンフォード大学にd.schoolを創設し、次世代のイノベーターの育成に取り組んでいます。

ではデビッドとトムは、デザイン思考をどのように定義しているのでしょうか?ふたりは2014年に発売された「クリエイティブ・マインドセット」という著書の中でこう述べています。

「デザイン思考とは、イノベーションを日常的に行うための方法論のひとつだ。」

重要なポイントは「イノベーションの日常化」という部分であり、この言葉にデザイン思考の本質が表れています。つまりデザイン思考の目的は、「イノベーションを生み出すモノの見方、考え方を習慣化すること」なのです。

また同著では、デザイン思考を身に着けるための根幹となる考え方として「創造力に対する自信(クリエイティブ・コンフィデンス)」が大切だと述べています。人はもともと創造的であり、それを発揮する勇気さえ持てば、誰でもクリエイティブな人間になれると断言しているのです。

そのための方法論としてd.schoolや各企業などが取り組み始めている教育システムなどが近年注目を集めています。ただし、表層的なメソッドにだけ目を向けるのではなく、その本質「イノベーションの日常化」を理解しなければ、デザイン思考を身に着けることはできません。人のクリエイティブを眺め体系的に理解しているだけでは、そこに辿り着くことはできません。自らの殻を破り一歩を踏み出す勇気こそがデザイン思考への唯一の道なのです。

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