【仕組みと習慣】
デザイン思考の本質は「イノベーションの日常化」であり、その目的は「イノベーションを生み出すモノの見方、考え方を習慣化すること」です。では、どうやって習慣化するのでしょうか?

ここで大切なことが「仕組み」です。仕組みとは、「無意識に繰り返される習慣」のことです。日常的にイノベーティブな発想ができる人は「イノベーティブに考えなきゃ!」とは考えません。そうなるような思考プロセスを日常的に実践しているのです。

そして、チームにおいてはこれがもっとも重要な意味を持ちます。「人はルールには従わないが社風には従う」と言われますが、チームが持つ特有の空気に人は自然と引き付けられます。クリエイティブな空気がチームに浸透すれば、人は自然とクリエイティブに考えるようになるのです。

【デザイン思考が浸透するチームの仕組み】
では、どのようにその仕組みを創るのか?まず取り掛からなければならないことは、リーダーがイノベーションに対する意識をいかに高めるかです。チームリーダーにその意識がなければメンバーが主体的に習慣を変えることはありません。イノベーティブなチームを創りたければ、まずはリーダーが決意するのです。リーダーのやる気がチームを変革する第1の条件です。

次に、仕事の仕方、業務フローを変えることです。これまでのやり方を変えなければ結果は変わりません。デザイン思考のプロセスを取り入れた業務フローやディスカッションの時間を可能な限り業務に組み込むことで、仕事のやり方が変化していきます。

また、オフィス空間を工夫することも大切です。狭い空間により多くの人を詰め込むオフィスではクリエイティブな発想は生まれません。自然と対話が生まれる空間レイアウト、家具や備品に至るまで、そのこだわりが創造性を育みます。

加えて、上司と部下の間に、先生と教師の関係を創らないことです。フラットな関係、チームメンバーとの適切な距離、自由に発言できる環境の無い所にデザイン思考は浸透しません。誰もがクリエイティブになれるということをチームメンバーが理解することで、初めて思考の扉が開くのです。

最後に評価の軸を変える事です。従来型の評価は、正確性、労働時間、ルールの順守、個人の活躍、結果の量や大きさによってなされています。このように従来型の評価制度では、数値定量化可能であり失点が少なければ評価されるものです。

しかし、デザイン思考を根付かせるためには、それとはまったく異なる仕組みが必要です。チームへの貢献、チームの成果、ユーザーへの貢献、ユーザーからの評価など、量や大きさでは測れない曖昧で、同時に失敗に対する評価が極めて寛大なものでなければなりません。メンバーに実践のためのやり場を創ることが大切です。

このように、「やる気、やり方、やり場」といった仕組みを最適化することが、イノベーションの日常化を実現するエンジンとなるのです。

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