デザイン思考8 STEP4「プロトタイプ」

【より早く、より多く失敗する】
創造のステップで拡がったアイデアを実際に形にするのがプロトタイピングです。プロトタイプは「試作」ですので、ここでは完成品を作る必要はまったくありません。出来るだけ早く、安く、矢継ぎ早に制作します。極端に言えば低品質を維持するのです。

ここでのポイントは、自分たちのアイデアを目の前にしたユーザーがどう感じ、どう利用し、どんな問題に直面するのかを分析することです。使い勝手が悪い様子であれば、素早くその問題となる箇所を修正し再び試す、これを繰り返して製品の精度を高めていくのです。

また前項でも述べた通り、時間の制約はここでも有効です。3日掛けてひとつのプロトタイプを作るよりも、1日で作ったプロトタイプを3回試す方がより良い結果をもたらします。なぜこのような手法をとるのか?その理由は、より早く、より多くの失敗を体験する事です。この事によって、商品サービスの成功に近づくキーとなるポイントが手に入る確率が高くなっていきます。

【サービスのストーリーボード】
形のある製品であればこれまでの説明でその手法は理解できると思いますが、形のないサービスに関してはそうはいきません。例えば「思い出に残るブライダル」を売るとしましょう。これをプロトタイプとして形に表し、ユーザーに体験してもらうことはできません。

そこで活躍するのが「ストーリーボード」です。これは、思いついたアイデアをシナリオや絵にしてストーリーとして伝えるという手法です。このブライダルを利用するとどんな順序でどんな体験をするのかを書き出します。ターゲット層となるユーザーはそのシナリオを見て感じたことをフィードバックします。そのフィードバックを元に再びシナリオを書き換え、精度を高めていきます。

【プロトタイプで知りたいことは何かを明確にする】
プロトタイプを作るときのポイントは「何を知りたいのか?」です。例えばあなたが女性用のカバンを作るとして「最適な重さ」を知りたいのであれば、ひとつのカバンに重りを入れて実際に持ってもらえばいいのです。そうすれば、どの重さから重く感じるのか?軽く感じるのか?の情報を得ることができます。そのために重さの異なるカバンを作る必要はありません。これを高速で繰り返すことがプロトタイプのだいご味なのです。

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デザイン思考7 STEP3「創造」

【創造性の窓を全開にする】
共感によって拡がった可能性を、問題定義によってひとつの問いや目的に集約したら、その次は再び拡散のステージに移ります。どうすればそれを実現できるか?問題解決のアイデアをこれでもかと抽出していきます。

ここでのポイントは、「正解を探さないこと」です。あらゆる可能性を求めチームメンバーからありとあらゆる視点、アイデアを引き出すのです。またアイデアは何もない所からは生まれません。すでにあるものを誰も気が付かなかった方法で切り離したり、くっつけたり、ひっくり返したりしながら、ありきたりのアイデアを非常識なアイデアに変えていくのです。

【制約があるからクリエイティブになれる】
クリエイティブワークをしていると面白いことに気づかされます。それは制約がある方がアイデアは研ぎ澄まされるということです。仕事における三大制約と言えば「コスト」「納期」「品質」です。これらが無尽蔵にあると仮定した場合、残念なことに人は創造性を失ってしまいます。逆に、「いつまでに、これくらいのコストで、この品質のものを」というハードルが高ければ高いほど、人の脳は活性化します。

特に「時間」。与えられた時間の中で何かをしようとすれば、必然的にコストも品質も限界があります。これに関しては、広告クリエーターの書籍などをみれば良く分かります。ほぼ全員が口をそろえて、仕事において最も大切なものは何かという問いに「納期」と答えています。つまり、時間という制約がクリエイティブワークにおける重要なポイントなのです。

この理由は、「捨てる」という発想にあります。「もう少し時間があればアイデアが・・・」は通用しません。与えられた時間の中でアウトプットしたものがすべて。それが府に落ちれば不要なものを捨て、本当に大切な部分だけを残すことができるのです。そこにイノベーションの種が隠されているのです。

【バグ・リストがチームを救う】
では、限られた時間を活かすためにやるべきことは何か?それはいかに準備をしておくかです。IDEO創業者の弟トム・ケリーが執筆した「発想する会社」の中で「バグ・リスト」なるものが紹介されています。これは日常生活の中で気が付いた問題を書き留めておくものです。例えば、両手がふさがった状態でドアを開けなければいけない場面に出くわしたらそれを書き留めておくのです。「どうすれば両手を使わずにドアを開けられるか?」。

こうした日々の気づきや問題解決の習慣がいざという時に力を発揮します。イノベーションを日常化するデザイン思考は、その習慣が創りだすものなのです。


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デザイン思考6 STEP2「問題定義」

【情報を集約し正しい問いを導き出す】
共感のステージよって集められた情報を理解し、顧客が真に解決したい問題は何かを明らかにするのが問題定義です。共感が拡散のステージだとすれば問題定義は集約です。幅広く得た情報をカテゴライズし、分析し、顧客が気づいていないニーズに辿り着くことが目的です。

そのために重要なことが、「正しい問いは何か?」にフォーカスすることです。例えば、宝酒造の「澪(みお)」のエピソードが興味深いです。若者の日本酒離れが進む中、20代から30代の男女がほんのり甘い低アルコールのチューハイを好んで飲んでいることに目を向けて、そのニーズにマッチした商品を開発しました。それが「澪(みお)」です。

もし開発者が「なぜ若者は日本酒を飲まないのか?」と問いかけていたらこの商品は生まれなかったかもしれません。「若者は今、どんなお酒を好んで飲んでいるのか?」に真摯に向き合い日本酒の方を変えてしまったのですから、とても大胆なイノベーションだったと言えます。

【問題の枠組みを捉えなおす】
問題定義のポイントは、「問題の枠組みを捉えなおす」ことです。

「ハーバード・ビジネス・スクール教授のセオドア・レビットは、「人々は4分の1インチ径のドリルが買いたいのではない。4分の1インチ径の穴を開けたいのだ!」と述べた。」(引用:クリエイティブマインドセットより)

穴を開ける方法はドリルだけではありません。更に「なぜ穴を開けなければならないのか?」を問えば、その穴さえ不要になるかもしれません。正しく問題を定義することで、その解決方法はより創造的な答えに辿り着くことになるのです。

問題定義が正しく行われれば、その後の発想や解決手法に一貫性が生まれ、実行に繋がっていきます。従ってデザイン思考のステップ2「問題定義」は、全体のメソッドの中でも極めて重要なステージであり、この問題の捉え方ひとつでプロジェクトの成否が左右されると言っても過言ではありません。

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デザイン思考1 デザイン思考とは何か?

【デザイン思考の本質】
先日、スタンフォード大学で「デザイン思考」についての講義を受ける機会がありました。近年、日本でもこの「デザイン思考」という言葉が広がりつつありますが、実際の所それが何を意味しているのかを理解している人は極めて少ないと言えます。そして私自身も「デザイン思考とは何か?」という問いに明確に答えられないでいました。そこで情報を知識にし、実践可能なレベルにまで高めるためにデザイン思考について研究してみました。

デザイン思考は、世界でもっともクリエイティブな企業として有名なデザイン会社「IDEO(アイディオ)」の創業者デビッド・ケリーとその弟であるトム・ケリーが、クリエイティブワークを通して身に着けた発想法をまとめ、イノベーターを育成するカリキュラムとして体系化したものです。デビッドは、スタンフォード大学にd.schoolを創設し、次世代のイノベーターの育成に取り組んでいます。

ではデビッドとトムは、デザイン思考をどのように定義しているのでしょうか?ふたりは2014年に発売された「クリエイティブ・マインドセット」という著書の中でこう述べています。

「デザイン思考とは、イノベーションを日常的に行うための方法論のひとつだ。」

重要なポイントは「イノベーションの日常化」という部分であり、この言葉にデザイン思考の本質が表れています。つまりデザイン思考の目的は、「イノベーションを生み出すモノの見方、考え方を習慣化すること」なのです。

また同著では、デザイン思考を身に着けるための根幹となる考え方として「創造力に対する自信(クリエイティブ・コンフィデンス)」が大切だと述べています。人はもともと創造的であり、それを発揮する勇気さえ持てば、誰でもクリエイティブな人間になれると断言しているのです。

そのための方法論としてd.schoolや各企業などが取り組み始めている教育システムなどが近年注目を集めています。ただし、表層的なメソッドにだけ目を向けるのではなく、その本質「イノベーションの日常化」を理解しなければ、デザイン思考を身に着けることはできません。人のクリエイティブを眺め体系的に理解しているだけでは、そこに辿り着くことはできません。自らの殻を破り一歩を踏み出す勇気こそがデザイン思考への唯一の道なのです。

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自ら変化する

エクストでは経営方針を半年区切りで作成しています。

その理由は、以下の通りです。
1、変化が激しく早い時代・業界にあって、1年の方針がもはや通用しない
2、各自の割り当て項目とスケジュールが読みやすく実行精度が上がる
3、コンパクトなので方針作成に要する労力・時間が大幅に削減できる
4、年2回、方針発表を行うので内容の浸透が図りやすい
5、方向転換が図りやすく、タイムリーな施策が打てる

そして第14期上半期の方針は
「ビジョナリーカンパニーへの一歩 『自ら変化する』」

エクストでは、「質実剛健な企業グループを目指す」というビジョンを掲げていますが、そのモデルとなるものが「ビジョナリーカンパニー」です。人々から必要とされ、長期的に好業績を上げ続けてきた偉大な企業のあり方・価値観を学び、自ら変化する集団になることが上半期の大方針となります。

具体的には、既存事業の強化に加えて、新サービスのタスク管理ツール「SONR.(ソナー)」をより良いものにしていくために、どうあるべきかを中方針、小方針に落とし込んでいます。

その中方針、小方針は以下の4つです。
1、物理的変化の促進・・・オフィス移転、就労形態の変化促進
 1)クリエイティブな環境の構築(モチベーションUP)
 2)コストメリットの活用(家賃削減)
 3)ダイバーシティ経営の導入(柔軟な就労体系)

2、意識的変化の促進・・・ビジョナリーカンパニーの学習促進
 1)社長塾の開催(全3回の勉強会)
 2)ビジョナリーカンパニーの学習(偉大な企業の共通項は何か?)
 3)ビジョナリーカンパニー2の学習(成長企業の共通項は何か?)

3、技術的変化の促進・・・必要スキルの明確化と育成、獲得促進 
 1)SONR.未来会議(合宿勉強会)
 2)必要スキルの明確化(各自の必要スキル)
 3)スキル獲得支援(研修費助成)

4、構造的変化の促進・・・更なる収益化とストック化の促進
 1)利益の出る体質創り(変動費、固定費の削減)
 2)売上の拡大(顧客接点強化)
 3)SONR.の拡大(既存顧客のフォローと露出向上)

そしてこの度、無事にオフィスの移転が完了しました。7月3日に方針発表して、9月24日にプロジェクトが完了するというスピード感が素晴らしい。プロジェクトマネージャー百田のスキルに改めて脱帽です。

木を基調にした落ち着いた空間になり、メンバーのモチベーションもグッと上がった感じです。環境は大幅に良くなり、家賃は大幅に削減するという方針通りの結果に大満足です。

こうした物理的変化が、意識、品質、損益構造の変化に繋がるように残りの方針に全力で取り組みます。

(新オフィス)
〒550-0005
大阪市西区西本町1丁目8番2号 三晃ビル400号
株式会社エクスト

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