フェルミ推定 ~日本に電柱は何本あるか?~

「日本に電柱は何本あるか?」

この問いに3分間で答えなければならない。調べることも出来ない。自分の頭の中にある情報を元に考えてなければならない。もちろん、googleで「電柱の数」などと検索することもできない。

このように正確な答えを出すことが困難な問いに対して、もちえる情報を元に可能な限りの仮説検証を試みる事を「フェルミ推定」と呼ぶ。

例えばお客様から「納品されるまでどれくらい時間が掛かりますか?」と聞かれたとする。そこで「解りません。」と答えてはプロとして失格である。今までの経験を武器に、必要な工数を頭の中で計算しておおよその期間を算出しなければならない。

このフェルミ推定を行う時は、「正確な結果」に注目するのではなく、それに辿り着くまでの「プロセス」を重視する。不確定な情報でそれなりの解を出す為には、完璧ではなく「おそらく」「おおよそ」「大体」というアバウトな答えを許容する必要があるのだ。

ビジネスの世界では結果は非常に大切だ。しかし、企画段階で「絶対成功する!」という正解の企画を出すことは不可能である。また、「どの企画が優れているか?」という選択基準も、その切り口や立ち位置によって異なるケースがほとんどである。

先の見えない時代と言われる昨今、フェルミ推定はこうした状況を打破するために頭の中の引き出しを開放し、可能な限り正解に近づくための強力な武器となる。この考える力は「スキル」である。スキルとは、体験経験から得た能力・ノウハウの事で、トレーニングによって向上させることが可能である。「考える力を養うツール」として社内教育に活用する事で、自社の企画発想力や即興力は必ず高まるはずだ。

ちなみに冒頭の問いに答えるためのプロセスを紹介すると
・街中の電柱の間隔からして、10平方メートル辺り○○本の電柱がある。
・日本の面積は38万平方メートル、その内○分の○が市街地だから~
などなど、各種情報を組み合わせて概算の本数を計算するのである。

こうした問いをビジネスに応用すると、「新サービスの売上予測」「ユーザー数の推移」「狙った市場と人口における販売本数予測」など、様々なケースでこの発想力が役に立つ。

そういえば、昔、この問題を出した所、数秒して「わかったーー!!」とうれしそうに声を上げ、「日本=2本の間やからゼロ本です!」と答えた強者がいた。これはこれで、マネのできない特殊な能力である。

自ら変化する

エクストでは経営方針を半年区切りで作成しています。

その理由は、以下の通りです。
1、変化が激しく早い時代・業界にあって、1年の方針がもはや通用しない
2、各自の割り当て項目とスケジュールが読みやすく実行精度が上がる
3、コンパクトなので方針作成に要する労力・時間が大幅に削減できる
4、年2回、方針発表を行うので内容の浸透が図りやすい
5、方向転換が図りやすく、タイムリーな施策が打てる

そして第14期上半期の方針は
「ビジョナリーカンパニーへの一歩 『自ら変化する』」

エクストでは、「質実剛健な企業グループを目指す」というビジョンを掲げていますが、そのモデルとなるものが「ビジョナリーカンパニー」です。人々から必要とされ、長期的に好業績を上げ続けてきた偉大な企業のあり方・価値観を学び、自ら変化する集団になることが上半期の大方針となります。

具体的には、既存事業の強化に加えて、新サービスのタスク管理ツール「SONR.(ソナー)」をより良いものにしていくために、どうあるべきかを中方針、小方針に落とし込んでいます。

その中方針、小方針は以下の4つです。
1、物理的変化の促進・・・オフィス移転、就労形態の変化促進
 1)クリエイティブな環境の構築(モチベーションUP)
 2)コストメリットの活用(家賃削減)
 3)ダイバーシティ経営の導入(柔軟な就労体系)

2、意識的変化の促進・・・ビジョナリーカンパニーの学習促進
 1)社長塾の開催(全3回の勉強会)
 2)ビジョナリーカンパニーの学習(偉大な企業の共通項は何か?)
 3)ビジョナリーカンパニー2の学習(成長企業の共通項は何か?)

3、技術的変化の促進・・・必要スキルの明確化と育成、獲得促進 
 1)SONR.未来会議(合宿勉強会)
 2)必要スキルの明確化(各自の必要スキル)
 3)スキル獲得支援(研修費助成)

4、構造的変化の促進・・・更なる収益化とストック化の促進
 1)利益の出る体質創り(変動費、固定費の削減)
 2)売上の拡大(顧客接点強化)
 3)SONR.の拡大(既存顧客のフォローと露出向上)

そしてこの度、無事にオフィスの移転が完了しました。7月3日に方針発表して、9月24日にプロジェクトが完了するというスピード感が素晴らしい。プロジェクトマネージャー百田のスキルに改めて脱帽です。

木を基調にした落ち着いた空間になり、メンバーのモチベーションもグッと上がった感じです。環境は大幅に良くなり、家賃は大幅に削減するという方針通りの結果に大満足です。

こうした物理的変化が、意識、品質、損益構造の変化に繋がるように残りの方針に全力で取り組みます。

(新オフィス)
〒550-0005
大阪市西区西本町1丁目8番2号 三晃ビル400号
株式会社エクスト

エクストオフィス

エクストオフィス

エクストオフィス

エクストオフィス

エクストオフィス

エクストオフィス

消費者の気持ちを湧き立たせるものは何か?

あれは小学校低学年だっただろうか。新しいアニメが始まるというのでどんなものかと眺めていたブラウン管の中にとんでもない映像が流された。

そのアニメとは、アラフォー世代の多くが熱中し、その後のロボットアニメに大きな影響を与えた『機動戦士ガンダム』である。

宇宙における独立戦争という重厚なテーマ、子供向けとは思えない緊迫したストーリー展開、何よりモビルスーツという見た事もない兵器のかっこ良さに大きな衝撃を受けた。

その日は夜まで興奮が収まらなかったのを今でも鮮明に覚えている。

当然のことだが、次の日の学校はその話題で持ち切りとなった。それから程なく発売されたコレクションシールやプラモデルに夢中になり、小学校生活はまさにガンダムと共に過ごしたと言っても過言ではない。

なぜ私たちはあんなにも熱中したのか?

1,まったく新しいポジショニング
ガンダム前後でよく見ていたアニメといえば、アルプスの少女ハイジ、フランダースの犬、母をたずねて三千里といったファミリー系、天才バカボン、おじゃまんが山田くん、アラレちゃん、ギャートルズといったギャグ系アニメ、ドカベン、侍ジャイアンツ、キャプテンといったスポ魂、ドラえもん、ルパン三世、未来少年コナン、銀河鉄道999などのファンタジー系といったジャンルが主流であった。

そこにまったく新しいポジションが現れた。ガンダムは、「リアルな描写」「緊迫したシチュエーション」「重厚なストーリー」といったこれまでにない世界観で新しいジャンルを切り開いたと言える。その後は、ダグラム、マクロス、ボトムズといったアニメが続々と登場した。

2,リアリティの追求
・モビルスーツ「ザク」が、スペースコロニー「サイド7」に潜入する緊迫したスタート
・胸のあたりのコクピットからパイロットが下りてきて双眼鏡で偵察する現実的風景
・初めて立ち上がろうとしたガンダムの真正面からマシンガンを構えるザクの威圧感
・逃走するザクを背後からビームサーベルでぶった切るガンダムのシルエット

第1話で登場したこれらのシーンは、「これまでのアニメとは違うぞ」という意思を十分に感じさせてくれた。それぞれのシーンが非常にリアルに描かれている。

今に思えば、このアニメは子供向けではなく、完全に中高生がターゲットだったのだと思うが、低学年の私でも「何だかすごいアニメが始まったぞ!」という興奮を感じた。このリアリティがアニメと現実の垣根を薄くした。

その証拠に自分たちが大人になる頃にはモビルスーツが実在していると本気で信じていた。二足歩行ロボットの夢を大きく育てたひとつにガンダムがあることは否定できないはずだ。

3,人間味ある登場人物
第1話では、主人公アムロの幼馴染であるフラウボウの母親が爆撃で死んでしまう。「君は強い女の子じゃないか!」と頬を叩き避難場所まで走れと叫ぶアムロ。これをきっかけにアムロはガンダムに乗り込んでザクを戦うことになる。ヒロインの母親が爆撃で死んでしまう戦争アニメ、凄い描写である。

その他にも、偵察に来たのに手柄を立てようと勝手に攻撃を始める新兵のジーンとそれをかばい逃がそうとするのデニム。言わば脇役の脇役であるキャラクターにも人格があり、他の場面でも二人の人間関係が解るセリフを盛り込むなど徹底した演出の深さがある。

極めつけは、それを指揮するジオン軍の天才パイロット、赤い彗星のシャア。すでに第2話で、連邦軍のセイラ・マスと兄妹を匂わせるニアミスシーンがあり、第3話で戦闘中にガンダムを蹴り倒すシーンは序盤のハイライトだった。クライマックスまで続くアムロとシャアのライバル関係を決定づけるシーンであった。

ガンダムvsシャアザク

ガンダムvsシャアザク

社会現象を引き起こす物には、必ずといって他との違いを言わずとも感じさせる特徴がある。その特徴は、尖れば尖るほど際だってくるものである。

批判や失敗を恐れず、これでもかと自分たちの世界観を打ち出すその姿勢が、新しい未来を創りだしていくものだと感じずにはいられない。

そういう強い意志こそが消費者の気持ちを湧き立たせるのだ。

組織における4つの視点

階層型組織には例外なく4つの視点が存在する。それらは交わることがなく、時にはせめぎ合い、時には相乗効果をもたらしながらその組織と共存する。

その4つの視点とは、
1、社長的視点・・・重要な決断を行う意思決定者としての視点
2、幹部的視点・・・決定事項の推進役としての管理者の視点
3、社員的視点・・・現場の最適化を主として考える現場の視点
4、経営的視点・・・全体的、論理的、客観的な思考による視点
である。

上記の4つは、それぞれが現在置かれた環境やその時々の立場によって作られるものであり、各自のスキルや経験はほとんど機能しない。つまり、たとえ百戦錬磨の社長であろうとも、ひとたび一般社員になれば、社員的視点で物事を見るようになるという事である。異業種交流会などに行けば、全員がどこかの会社の社長、幹部なのに、その組織でのポジションによって一般社員や中間管理職の視点になっているのを見ればそれが良くわかる。

逆に、一般社員が社長になったならば、それまでの事は無かったかのように社長的視点で物事を見るようになる。後者については、ほとんどの社長が社員、幹部を経験して社長になったにも関わらず、社長になった途端に部下の価値観が理解できなくなる事例は事欠かない。

このように、人間は環境の生き物である事が解る。それ故に、今の自分にとっての最良を求めるという事になんら不思議はないし、それそのものに何ら問題はない。むしろその視点の差が組織の秩序を保っているといっても過言ではない。この事実を受け止めた上で4つ目の視点に話題を移したい。

経営的視点とは、前述した通り、「全体的、論理的、客観的な思考による視点」である。言い換えれば、「部分最適ではなく、数値や証拠を元に第3者として冷静に物事を判断する視点」と言える。つまり、部分ではなく全体、自己ではなく他己、願望ではなく現実に従って物事を見るという事である。

他の視点は決して交わることができないが、この経営的視点だけは誰もが持つことができる唯一の視点であり、立場を超えて共有化できる価値観なのである。

ではどうすれば経営的視点を社内に浸透させることが出来るのだろうか?

それは、「目的・目標の明確化と共有化」と「モチベーションの向上と維持」、そして「情報の共有化」である。理念、ビジョン、使命、方針などの明文化はまさにその第一歩であり、組織の意識をいかに遠くに向けるかが大切と言える。

目の前の事に囚われるのではなく、理想やビジョン、ミッションといった遠くのものに目を向ける事が「全体的、論理的、客観的な思考による視点」に近づく最も有効な方法なのである。

その為にトップは十分な経営知識を組織に与えなければならない。社内外における重要な情報を社内に共有しなければならない。同時に自ら学ぶ自立した組織を創らなければならない。

その為には、まずトップ自らが学ばなければならない。トップ自らが経営的視点を獲得しなければならない。それなくして、幹部や社員が経営的視点を持つことなどありえない。まさに組織の成果はリーダーで決まると言えるのである。

(2015.7.2 リライト)

24時間戦えますか?

「24時間戦えますか?」。ご存知の方も多いであろうこのフレーズは1990年代前後に放送された栄養ドリンク「Regain(リゲイン)」のCMソングの一節である。バブル経済絶頂の頃、世界で活躍するビジネスパーソンの応援歌として大いに取りざたされた。このコピーは決してネガティブなイメージではなく、逆に誇らしいと言えるほどの熱気があった。まさに時代の一幕を表した名コピーである。

しかし現在では、このようなコピーがマスメディアで使用されることはまずないだろう。ブラック企業なる言葉が生まれ、社会に対してのみならず、社内環境においても厳しくコンプライアンスが求められる現代において、「24時間働きますか?」などというコピーが許されるはずもない。

過去、日本の終身雇用をベースとした大家族主義は世界でも賞賛された経営のあり方だった。会社は経済成長の名のもとに定期昇給、終身雇用を担保し、従業員はその成長のために働き成果を上げ続けてきた。大手に至っては企業年金で老後の面倒まで見ると言うのだから、お互いが信頼関係で結ばれるに至る十分なシステムがあった。

しかしそれらの良さはバブル崩壊によってキレイさっぱり失われ、ただの過労働のみが残ったのが現在の企業の姿のように思えてならない。日本は猛烈に働くことで世界2位の経済大国にのし上がり、その結果生まれた圧倒的な生産性の低さによって世界から取り残されようとしている。

ではどうすれば日本は再び世界の中でリーダーシップを発揮できる存在になり得るのだろうか?それは価値観の変容によってしかなされないだろう。

まず初めにしなければならないのは「経済大国」という誤ったレッテルを直ちにひっぺがし、「資源の乏しい小国」であるという認識を持つべきである。日本が置かれている状況は極めて劣性である。過去の成功体験を直ちに捨て、弱者である現状を強く認識しなければならない。

次に、成功の定義を大きく塗り替えることである。経済成長やGDPなどに惑わされてはならない。日本という国が再び世界で尊敬される存在となるために、豊かさを量ではなく質によってはかる独自の指標を世界に打ち出すことである。その指標こそが目標となり、明日への活力を生むのではないだろうか?

とは言え、経営者は政治家ではない。自らの会社を少しでも理想に近づけ祖国に貢献しなければならない。再び誇らしいと思える名コピーが誕生するのを楽しみにしながら、日々の経営に精進することとしよう。

12