マーケティング 経営戦略

極小商圏で勝つ経営

北海道にサッポロドラッグストアというチェーンがあります。

http://www.sapporo-drug.co.jp/

地元では「サツドラ」の愛称で親しまれる地域密着型のドラッグストアです。

昨年の売上高は440億円。10年前は170億円の売上でしたので、驚異的な成長を遂げています。

ドラッグストアと言えば、マツモトキヨシなどが急成長している分野ですが、北海道ではこのサツドラが圧倒的な強さを誇っています。

このドラッグストアが取り組んでいるユニークな取り組みが「極小商圏で勝ちきる」というニッチ戦略です。ニッチとは「隙間」という意味ですが、これは「弱者の戦略」と呼ばれ、大きくて強い敵とは戦わずに、そうした相手が参入して来ない分野、市場に特化して利益を上げる手法です。

サツドラは現在5,000人程度の街にドラッグストアを展開しています。ドラッグストアが収益を上げるのに本来必要な人口は2万人と言われていますので、約4分の一の大きさです。

ではどうやって利益を確保するのか?

それは本来扱わない「食料品」に力を入れていることです。5,000人の商圏と言うと、大型のスーパーやそれに類似する企業が参入してきません。そこに目をつけて食料品を販売するドラッグストアとして収益を上げているのです。売上の50%が食料品というのですから、もうドラッグストアとは言えない業態に変化しています。

違った視点で捉えると、そうした地域で細々と経営をしてきた商店は、突然の黒船襲来で危機的な状況を迎えているとも言えます。しかも思いもよらぬ相手が敵になるのですから、相当な荒波を迎えていることでしょう。

昨今では、こうした業界の垣根を超える手法がどんどん出てきています。私たちのWEB業界で言えば、DTPを展開してきた会社がWEBに本腰を入れたり、コンサルティング業界がどんどんHP戦略をメニューに取り入れています。

こんな時代に生き残り勝ちきるためには、ニッチ分野において圧倒的な強さを誇る付加価値の提供を行う必要があります。また、既存商品以外での収益源を創りだして行かなければ、いつか突然の黒船来襲に大変な危機を迎えることになるでしょう。

企業は変化対応業と言われますが、時代の変化を読み取り、先手先手で新しいことにチャレンジして、自らが変化していかなければなりません。

「未来を予測する最良の方法は自ら創りだすことだ。」

株式会社エクスト 代表取締役 高畑 欽哉

著者紹介

株式会社エクスト 代表取締役高畑 欽哉

「ITのチカラで働く人を幸せにする」をビジョンとし、企業の生産性向上のための「インターネット創客事業」と「社内コミュニケーションツール「SONR.(ソナー)」の提供」を行う。残業ゼロ、有給休暇100%取得を実現しながら高い生産性を上げている。電話受付なし、時差出勤制度、沖縄・北海道でのテレワークなど、新しい働き方の実践に取り組んでいる。全国各地で100講演を超えるセミナーを行い、のべ聴講者数は1万名を超える。

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