働き方改革

すでに起こった未来

【平均寿命が延び続けている】
日経新聞に日本人の平均寿命が5年連続で延びていると言う記事が公開されました。
「平均寿命、男女とも過去最高更新 女性87.14歳 男性80.98歳」日本経済新聞

医療の発達によって今後、人間の平均寿命は100歳を超えると言うデータもあります。

これまでの生活設計では60歳で定年退職し、その後は年金で暮らすというプランが一般的でしたが、定年年齢は65歳になり今後は段階的に延長される事が予想されています。同時に、今後支給される年金は減少の一途を辿り、最後は「働きながら一生を終える」ことが当たり前の時代がやってくるかもしれません。

こうした未来に向けて国としての抜本的な対策を期待することは大切ですが、私たち個人は何を考えどのような準備をしていけば良いのでしょうか?

【働くことに対する意識変革】
このような時代の変化を目の前にして、まず大切なことは働くことに対する考え方を見直すことではないでしょうか?

マーケティングの大家であるコトラーは、マーケティングのステージは1.0から始まり、現在4.0に差し掛かっていると指摘しています。「オンラインとオフラインの相互作用により、仕事は労働から自己実現に変化した。今、選ばれる会社は「目的と情熱」を持っている会社だ。」インターネットの普及により、多くの人が成功へのステップを容易にイメージ出来るようになったことで、自己実現を意識した生き方に価値観が変容してきている。そこで、従業員も顧客も企業の価値観や使命、ビジョンといったものを選択の手掛かりとして重要視しているというのです。

これから主役になる若い世代は顕著にこの傾向が表れているのでないかと思います。もちろん待遇や安定性は今後も重要な指標にはなりますが、それだけでは今後、雇用の確保は難しくなっていくのではと感じます。

一方、これから60代を迎える多くの方々が長い老後をどう過ごすかを考えた時、社会との繋がりはとても重要です。働くということが単なる労働ではなく自己実現につながるものであれば、それは非常に重要な老後の選択肢になりえます。

【すべての仕事は知的労働に向かう】
今後、ロボット技術やセンサー、AIなどITの発達によって、単純労働がどんどん置き換えられていきます。考えなくてもできる仕事はなくなり、人にしかできない、人の方がうまくそれを行える仕事が残るでしょう。つまりそれは「知的労働」と言われるものです。

自らを社会生態学者と名乗ったマネジメントの父、ピータードラッカーは「知的労働者」の社会が来ることを予測していました。そして知的労働者について、「知的労働者は監督することができない。だからこそ、成果を上げるべく自らをマネジメントしなければならない。」と言った趣旨の見解を述べています。

私たちは考えることをやめてはいけません。

自らを律し、生き抜く知恵を身につけて行く、そんな人が100歳時代をたくましく生き抜いて行くのでしょうね。

【すでに起こった未来】
マネジメントの生みの親と言われたピーター・ドラッカーは未来についてこんなことを語っています。

「われわれは未来についてふたつのことしか知らない。ひとつは、未来は知りえない。もうひとつは、未来は今日存在するものとも、今日予測するものとも違うということである」

ではどのように未来に向けて準備すれば良いのでしょうか?それは「すでに起こった未来」について考えることだと言います。

すでに起こった未来とは、ある年に生まれた子供がハタチになる時の人数は、その生まれた人数を超えることはないというように、ある程度確定した未来について考えるということです。

少子高齢化は、随分前から予測できた傾向ですが、それに対してどれだけの備えをして来たのか?を問われます。現行の社会保障制度では今までのような老後のプランは描けない中で、今からしっかりと準備をする必要があるのです。

同時にこの問題を解決する方法を考えることができれば、それは凄まじいイノベーションになるはずです。

すでに起こった私たちの未来。働くということを真剣に考え直す時かもしれませんね。

株式会社エクスト 代表取締役 高畑 欽哉

著者紹介

株式会社エクスト 代表取締役高畑 欽哉

「ITのチカラで働く人を幸せにする」をビジョンとし、企業の生産性向上のための「インターネット創客事業」と「社内コミュニケーションツール「SONR.(ソナー)」の提供」を行う。残業ゼロ、有給休暇100%取得を実現しながら高い生産性を上げている。電話受付なし、時差出勤制度、沖縄・北海道でのテレワークなど、新しい働き方の実践に取り組んでいる。全国各地で100講演を超えるセミナーを行い、のべ聴講者数は1万名を超える。

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