AIスピーカーって何がすごいの?

AIスピーカーって何がすごいの?

【AIスピーカーがやってきた】
我が家にAmazonから発売されたAIスピーカー「Amazon Echo(アマゾンエコー)」がやってきました。このAIスピーカーには「Alexa(アレクサ)」というAIが組み込まれていて、話しかけるとそれに応じた回答を返してくれます。

AIとはいえかなり限定された受け応えしかできず、日常会話のように自然な会話をすることはできません。今できる会話レベルは「おはよう」や「ただいま」といった簡単な挨拶程度ですが、今後AIが多くのユーザーとの会話を学ぶことによって最適な話し相手になる日が来るかもしれません。

【何ができるの?】
現時点では日常生活がちょっと便利になるアシスタントと言った感じです。主なものをご紹介したいと思います。

・情報の窓口
その日や翌日の天気を教えてくれます。出かける前に温度や雨が降るかどうかを教えてくれるので案外便利です。その他、主なニュースのトピックや解らない用語や人物の解説、テレビ番組案内など、多くの情報にアクセスできます。

・生活の援助
キッチンタイマーや目覚まし、スケジュール管理など、時間にまつわる種々のお知らせを受け取ることができます。また、あらかじめ登録しておいた日用品の発注など、ネット通販をPC、スマホを使わずに利用することができます。

・各種ハードやソフトとの連携
AIスピーカーに対応した照明器具のオンオフや色変更、照度調整などをコントロールできます。またエアコンなどの各種家電製品と連携することで快適な住空間を保つことができます。また、ラジオや音楽など様々なメディアを再生できます。

無くてはならないものではありませんが、一度、生活の中に入り込むとその便利さが当たり前になっていくのは間違いありません。

【これからどのように発展するのでしょう?】
現在、スピーカーという形で普及が始まりましたが、そもそもスピーカーである必要は全くありません。また、ネットを介して情報をやり取りすることから場所やハードに依存するものでもありません。

今後は、テレビやスマホ、家そのもの、自動車、時計など、すべてのものが一つのパーソナルなAIによってコントロールできるようになるでしょう。そうすれば、外出前に自動車に目的地のナビゲーションを設定できるでしょうし、帰りの自動車の中から音声だけでエアコンや炊飯器の電源をオンにできるようになるでしょう。AIの精度が上がれば、メールなどのコミュニケーションもリアルタイムに音声変換されてやり取りできるでしょうし、電話応対もやってくれるかもしれません。「こんなことできたら便利なのに?」の数だけ未来が広がるといえます。

こうした流れの中心にあるのが、あらゆるモノがインターネットに常時接続され繋がっていく「IoT(Internet Of Things)」の世界であり、AIスピーカーはその先駆けとなるサービスなのです。

今はまだ「だから何っ?」というレベルのモノかもしれません。しかし、その小さな変化が未来のライフスタイルを大きく変えていくのです。

皆さんも、その「最初の変化」をぜひ感じてみてはいかがでしょうか?

なぜこの会社で働くのか?

なぜこの会社で働くのか?

シリコンバレーの視察に行ってきました。そこで得た情報や感じたことを数回に分けてご紹介します。

【シリコンバレーの転職事情】
シリコンバレーでは雇用契約の段階で企業側はいつでも解雇できるオプションを提示しています。同時に、社員さんの方もいつでも辞められるオプションを持ちます。日本では考えられない仕組みですが、働く人は報酬に見合った働きを求められますし、企業側は能力に見合った待遇を用意する必要があります。こういう点で、非常にフラットな関係と言えます。

また退職時には、情報漏洩などの危険を回避するために、その日のうちに退職が行われます。従って、昨日まで取引していた担当者が今日になっていなくなっているという事が普通に起こります。また、ヘッドハントが採用の手法として確立しているので、昨日までいた社員さんが、翌日に取引先に転職しているといった例も多いようで、そういった商習慣が一般化されているシリコンバレーでは大きな問題にはならないそうです。

働く人々は、この競争の激しいシリコンバレーを生き抜くために、常にセカンドプロジェクトを持っており、自分のプライベートタイムを利用して個展を開いたり、新しい技術を取り入れるためのワークショップに参加したりと、スキルアップのための勉強を自主的に行なっています。

かといって全員が優秀かというと決してそうではありません。各々の会社で必要とするスキルと社員さんのスキルのミスマッチはどんな場所でも起こり得ます。双方が持つ退職のオプションは、そうした時にも有効に働きます。

現地の日系企業にインタビューした時に印象的だったのは、「やっぱり日本人の方が優秀でよく働きます。外国人は生産性が高く短い時間で成果を出すと思われていますが、そんなことはありません。外国人は時間になったらどんな状況でも帰ってしまいますし使えない人は山ほどいます。その点、日本人はスキルが均一でみんな勤勉です。」という一言でした。日本人が考える優秀の中には決められたことをキチンと行うことや常に平均点の仕事ができるといった集団主義が根強く残っています。日本人が持つ国民性やある種、共有化された価値観は武器にもなりますが、シリコンバレーの中では逆に異質な考え方なのかもしれません。

【シリコンバレーの中小企業で働く人の仕事観】
そんな中、現地の中小企業の方々に話を聞く機会がありました。その企業は映像制作会社で社員数はわずか8名ですがAppleやFacebook、Pixarなど、並みいる大手企業と取引がある高収益企業です。

その企業の幹部さんにお話をお伺いしました。その幹部さんは映像とは全く別の分野から転職してこの世界に入り、セールスの責任者として幹部まで登ってこられた方です。私が質問したのは「これからも転職によってキャリアップを目指していきますか?」ということでした。私は「その通り」という答えを想像していたのですが、回答は全く異なるものでした。

「人生はとても短い。だからこの会社がエンジョイできる環境であるならここに居続けますし、そうでなくなったらすぐに転職します。皆さんもそうでしょう??」

そしてこう続けました。

「それは報酬やキャリアとは無関係で、実際にこの会社に転職した時も報酬は下がりましたから。今のチームはお互いにプロ同士ですが、他人の領域も積極的に助け合います。良い仕事をするためにフォローしあうことでチームが成り立っていて尊敬できる仲間です。そんな良いチームワークを作るために食事会を開催したり、色々と工夫しながらチームビルディングをしています。今の会社は最高にエンジョイできる環境ですよ。」

このお話を聞いた時、働き方の原点に触れたような気がして鳥肌が立つほど感動しました。エンジョイできる仕事、エンジョイできる環境を自分たちの力で創り上げているその姿に見習うべきものがたくさん詰まっていました。

皆さんは仕事を楽しんでいますか?

ネット企業とシリコンバレー

ネット企業とシリコンバレー

シリコンバレーの視察に行ってきました。そこで得た情報や感じたことを数回に分けてご紹介します。

【ネット企業の真実】
今、成長したネット企業は莫大なキャッシュを持って戦っています。これまでの企業は時価総額の多くを設備投資などに充てており実際のキャッシュは持っていません。しかし、ネット企業は調達した資金の多くを現金として保有しています。そうした潤沢なキャッシュを使って最先端の技術を持つベンチャーを吸収することで、劇的なスピードでテクノロジを進化させているのです。

Facebookは、当時まだ13名、売上ゼロだったInstagramを810億円で買収しました。Googleは、YouTubeを1800億円、人工知能のDeep mindを500億円など次々に買収し技術やサービスのイノベーションに取り込んでいます。

またこれらの企業はネット上で活動する企業の印象が強いのですが、実際には競争力の源泉となるリアルな資源を持っています。Googleは巨大なデータセンターを持つ世界一のPC生産会社であり、amazonは世界で最も優れた巨大な物流システムを持つ企業であると同時に、世界一のクラウドサービスを提供するプラットフォーム提供企業です。

【シリコンバレーのエコシステム】
そんなユニコーン企業が生まれるシリコンバレーには、世界でも稀なエコシステムが存在しています。世界最高峰の大学を中心とした優秀な人材とベンチャーキャピタル、ベンチャーを育てる大企業、これらの要素が集中する希少な環境があります。

その中で、シリコンバレーのベンチャーキャピタルは場外ホームランだけを狙っています。100社に投資し、1社10年のポートフォリオだけをみているのです。小さなIPOなどもそんなに相手にせず1社が爆発的にうまくいくことで100社はさっさと失敗させるのが当たり前。失敗は貴重な経験と捉え、良い失敗を繰り返すことを求めます。良い失敗とは、「予想したが政治的な理由で失敗した」といったビジネスそのものの失敗であり、逆によくない失敗とは、家族経営で大揉めしたなど、ビジネス以外の失敗を指します。

全ては「スケールするか否か?」つまり人間の活動を最大公約数で自動化できるか否か?それが今、お金を集めるビジネスになっているのです。そういう意味で、人間の活動をキャプチャーする事業にVCによる投資が集まっているのが現状です。

また、秘密厳守主義とオープンイノベーションの絶妙なバランスも大きな特徴です。多くの企業が「ムーンショット」と呼ばれる月に届くくらいぶっ飛んだ実験を行う部門を持ち、その秘密は絶対に外に出ません。しかし、特定の技術分野では絶対機密のもと、協業による実験が繰り返されています。オープンにしないと広がらない、でも秘密は守る。そのバランスが絶妙なのです。例えばGoogleは、等間隔に飛ばした気球で全世界をWi-Fiで結ぶ実験を秘密裏に行い、基礎技術を完成させていると言います。

そうして磨いた技術やビジネスモデルを買い取る大企業がいることが、次々とスタートアップが生まれる大きな要因となっているのです。この流れがある限りシリコンバレーの優位性が続くという仮説が立てられます。

このように、シリコンバレーのエコシステムは絶妙のバランスで成立しており、複製や切り取り、モノマネは無理であり、劣化コピー版を作るやり方は大きく間違っていると言えます。シリコンバレーは自前の地域で処理せず、シリコンバレーとのネットワークを構築し「活用」すべきなのかもしれません。

AIが創り出すもう一つの波

AIが創り出すもう一つの波

【AIの驚くべき進化】
囲碁の世界チャンピオンを破った「AlphaGo」の話題が世界中の注目を集めました。AIがついにここまで発達したのかという驚きと人間の認識が追いつけないほどの進化に一種の恐怖、危機感を覚えた人も多かったのではないでしょうか?

ところがこのお話には続きがあります。

その後、「AlphaGo」は新しいアルゴリズムを採用し「AlphaGo 0(ゼロ)」として生まれ変わりました。そして、この新旧対決が行われたのですが、その結果はなんと「100対0」で「AlphaGo 0」が勝利したというのです。

しかもこれまでのAIでは、プロ棋士による過去の対戦データを大量の学ばせた上で4000万回の自己対戦をさせたのですが、新しいAIは「ルールを教えただけ」で、その後1500万回の自己対戦を行っての勝利だったのです。

まさに専門家も驚くほどの飛躍的な進化です。そして、専門家いわく、どのようにしてそれを学んでいるかの因果関係が全く解っていないというのです。

【ビジネスとは生産性向上の歴史】
こうした技術の発達により「10年〜20年後には47%人の仕事がなくなる」という衝撃的な論文を発表したのがオックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授です。

にわかに信じがたい情報ですが、振り返ってみればこれらは過去何度も繰り返されてきた出来事でもあります。例えば電話を見てみれば、昔は交換手が受けた電話をどこにかけたいかの情報を元に通信線を差し替えていました。それらはコンピューターの発達とともに淘汰され、20万人以上の雇用が失われました。あらゆる仕事は技術の発達とともにより便利に、より手軽になっていく、つまり生産性が向上する。それがビジネスの源であり人類の進化でもあったのです。

そして現在、その進化の担い手になっているのがAIなのです。

【本当の進化はIAによって行われる】
AIは多くの仕事を奪うと言われています。AIによる自動運転が広がればドライバーと名のつく職業は淘汰されるでしょう。AIロボットの発達により、交通整理やコンビニや居酒屋などの店員さんなど、様々な業界で大きな変革が起きます。その時、失われる雇用は膨大な規模になるでしょう。

しかし、AIがもたらす本当に大きな波はIAだと言われています。IA(Intelligence Augmentation)とは「知能増幅」を指します。これは、高度な技術や知識を要するものをAIの力で誰でも簡単に活用できるようにすることです。例えば手術や弁護士、熟練工の手工業、飛行機のパイロットなど、高度な仕事を素人でも扱えるようにする活用方法を見出すのです。この事で、一部の人しかできなかった職業が多くの人の仕事になる、つまり職業選択の幅が広がるという考え方です。

今後、人工知能のディープマインドは、驚くような低価格で多くの人が利用できるようになるでしょう。最先端の人工知能を多くの人が利用できるようになった時、どのような未来が訪れるのか?

ピータドラッカーの言葉がこれからの道しるべになるのではないでしょうか?
「未来を予測する最良の方法は自ら創り出す事である」

すでに起こった未来

すでに起こった未来

【平均寿命が延び続けている】
日経新聞に日本人の平均寿命が5年連続で延びていると言う記事が公開されました。
「平均寿命、男女とも過去最高更新 女性87.14歳 男性80.98歳」日本経済新聞

医療の発達によって今後、人間の平均寿命は100歳を超えると言うデータもあります。

これまでの生活設計では60歳で定年退職し、その後は年金で暮らすというプランが一般的でしたが、定年年齢は65歳になり今後は段階的に延長される事が予想されています。同時に、今後支給される年金は減少の一途を辿り、最後は「働きながら一生を終える」ことが当たり前の時代がやってくるかもしれません。

こうした未来に向けて国としての抜本的な対策を期待することは大切ですが、私たち個人は何を考えどのような準備をしていけば良いのでしょうか?

【働くことに対する意識変革】
このような時代の変化を目の前にして、まず大切なことは働くことに対する考え方を見直すことではないでしょうか?

マーケティングの大家であるコトラーは、マーケティングのステージは1.0から始まり、現在4.0に差し掛かっていると指摘しています。「オンラインとオフラインの相互作用により、仕事は労働から自己実現に変化した。今、選ばれる会社は「目的と情熱」を持っている会社だ。」インターネットの普及により、多くの人が成功へのステップを容易にイメージ出来るようになったことで、自己実現を意識した生き方に価値観が変容してきている。そこで、従業員も顧客も企業の価値観や使命、ビジョンといったものを選択の手掛かりとして重要視しているというのです。

これから主役になる若い世代は顕著にこの傾向が表れているのでないかと思います。もちろん待遇や安定性は今後も重要な指標にはなりますが、それだけでは今後、雇用の確保は難しくなっていくのではと感じます。

一方、これから60代を迎える多くの方々が長い老後をどう過ごすかを考えた時、社会との繋がりはとても重要です。働くということが単なる労働ではなく自己実現につながるものであれば、それは非常に重要な老後の選択肢になりえます。

【すべての仕事は知的労働に向かう】
今後、ロボット技術やセンサー、AIなどITの発達によって、単純労働がどんどん置き換えられていきます。考えなくてもできる仕事はなくなり、人にしかできない、人の方がうまくそれを行える仕事が残るでしょう。つまりそれは「知的労働」と言われるものです。

自らを社会生態学者と名乗ったマネジメントの父、ピータードラッカーは「知的労働者」の社会が来ることを予測していました。そして知的労働者について、「知的労働者は監督することができない。だからこそ、成果を上げるべく自らをマネジメントしなければならない。」と言った趣旨の見解を述べています。

私たちは考えることをやめてはいけません。

自らを律し、生き抜く知恵を身につけて行く、そんな人が100歳時代をたくましく生き抜いて行くのでしょうね。

【すでに起こった未来】
マネジメントの生みの親と言われたピーター・ドラッカーは未来についてこんなことを語っています。

「われわれは未来についてふたつのことしか知らない。ひとつは、未来は知りえない。もうひとつは、未来は今日存在するものとも、今日予測するものとも違うということである」

ではどのように未来に向けて準備すれば良いのでしょうか?それは「すでに起こった未来」について考えることだと言います。

すでに起こった未来とは、ある年に生まれた子供がハタチになる時の人数は、その生まれた人数を超えることはないというように、ある程度確定した未来について考えるということです。

少子高齢化は、随分前から予測できた傾向ですが、それに対してどれだけの備えをして来たのか?を問われます。現行の社会保障制度では今までのような老後のプランは描けない中で、今からしっかりと準備をする必要があるのです。

同時にこの問題を解決する方法を考えることができれば、それは凄まじいイノベーションになるはずです。

すでに起こった私たちの未来。働くということを真剣に考え直す時かもしれませんね。